スマートフォンやIoTの普及に伴い、アプリケーションエンジニアの需要は近年ますます高まっています。このような将来性の高い職種に未経験からでも挑戦できるのかと疑問に感じる方もいるでしょう。まずはアプリケーションエンジニアの種類や業界構造を正しく理解し、転職を検討することが大切です。本記事では、未経験からアプリケーションエンジニアを目指す方を対象に、転職方法から求められるスキルまで詳しく解説します。
アプリケーションエンジニアとは?3つの分野と仕事内容
アプリケーションエンジニアとは、特定の目的のために開発されたソフトウェアを設計・開発するエンジニアの総称です。以下に、アプリケーションエンジニアが関わる主な3つの開発分野について紹介します。
Webアプリケーション開発
SNSやオンラインショッピングサイトなど、Webブラウザを通じて利用するアプリケーションを開発します。
・Amazon、YouTube、食べログなど
・インターネット接続で利用可能
・専用ソフトウェア不要
スマートフォン向けアプリ開発
iPhoneやAndroidなどのスマートフォンやタブレット向けのアプリケーションを開発します。
・ゲームアプリ、SNSアプリ
・地図アプリ、カメラアプリ
・ネイティブ・Web・ハイブリッドアプリ
業務システム向けアプリ開発
企業や組織の特定の業務課題を解決し、効率化を図るために設計・構築されるソフトウェアを開発します。
・勤怠管理システム
・生産管理システム
・顧客情報管理システム
未経験からの転職は十分に可能!その理由とは?
アプリケーションエンジニアは、未経験からでも十分に転職できる職種です。IT業界では人材不足が深刻化しており、多くの企業が未経験者を受け入れる体制を整えています。

IT業界の人手不足が後押し
経済産業省の調査では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
充実した研修制度
多くの企業が未経験者向けの研修制度を用意し、入社後にスキルを習得できる環境が整っています。
経歴不問の採用
学歴や文系出身でも挑戦でき、30代からでも十分に目指すことが可能です。
未経験からアプリ開発エンジニアになるための4ステップ
未経験からアプリケーションエンジニアを目指すには、計画的なステップを踏むことが重要です。以下の4つのステップに従うことで、効果的に学習し、転職活動を進めることができます。

ステップ1:開発したいアプリのジャンルを決める
まず、開発したいアプリケーションのジャンルを明確にしましょう。アプリ開発にはWebアプリケーション、スマートフォン向けアプリケーション、業務システム向けアプリケーションの3つの主要なジャンルがあります。各ジャンルで求められる技術やプログラミング言語が異なるため、どのジャンルに興味があるかを初めに決定することが重要です。
ステップ2:プログラミング言語の学習を始める
選んだジャンルに応じて必要なプログラミング言語の学習を始めましょう。Progateやドットインストール、UdemyやCourseraなどを活用して、基礎から実践まで体系的に学ぶことができます。
ステップ3:ポートフォリオとして自作アプリを開発する
プログラミング言語を学び終えたら、自作アプリを開発し、それをポートフォリオとして活用します。ブログサイトやチャットアプリ、天気予報や家計簿アプリなど、身近なテーマから始めると良いでしょう。
ステップ4:転職エージェントを活用して求人を探す
IT業界に特化したエージェント(例: ユニゾンキャリア、レバテックキャリア)を選ぶことで、希望に沿った求人を効率的に見つけることができます。
転職前に習得すべき必須スキル
アプリケーションエンジニアとして転職を目指すには、まず以下の必須スキルを習得することが不可欠です。具体的なスキルは、開発分野によって異なりますが、主にプログラミングスキル、OSやミドルウェアに関する知識、そしてチーム開発で重要なコミュニケーション能力が挙げられます。
1.プログラミングスキル
フロントエンド開発:HTML、CSS、JavaScriptが必須スキルです。
バックエンド開発:Java、Ruby、PHP、Python、Go言語などの主要言語を習得します。
2.OSやミドルウェアの知識
Windows、macOS、Linux、iOS、AndroidなどのOS知識と、データベース管理システム(DBMS)、Webサーバー、アプリケーションサーバーなどのミドルウェア知識が必要です。
3.コミュニケーション能力
チーム開発では、デイリースタンドアップミーティングでの進捗報告、チャットツールでの情報共有、コードレビューを通じたフィードバックのやり取りが重要です。
4.資格取得
基本情報技術者試験、HTML5プロフェッショナル認定試験、PHP技術者認定試験、Oracle認定Java資格などで客観的にスキルを証明できます。
アプリケーションエンジニアに向いている人の特徴
アプリケーションエンジニアとして活躍するためには、特定の資質や特性が求められます。技術的なスキルは重要ですが、それ以外にも日々の業務や学習において役立つ要素があります。
地道な作業を粘り強く続けられる人
コードを記述し、エラーやバグを修正するために地道な作業を続けることが必要です。一つのタイプミスが原因でプログラム全体が正常に動作しなくなることもあります。膨大なコードの中から問題箇所を見直し、原因を特定して修正するデバッグ作業には集中力と根気が必要です。
新しい技術を学び続ける意欲がある人
アプリケーション開発の分野は技術の進化が非常に速いため、新しいプログラミング言語、フレームワーク、ツール、手法などが次々と登場します。この変化に対応し、常に新しい知識やスキルを学び続ける意欲が不可欠です。
論理的思考力を持つ人
顧客の要望を正確に理解し、それに基づいて最適なシステムを構築する際に論理的思考力が求められます。システムに不具合が発生した際、原因を特定し、解決策を見出すためにもこの能力が必要です。
アプリケーションエンジニアの年収と将来性
アプリケーションエンジニアの平均年収は、一般的に550万円前後とされています。例えば、コトラの調査では約550万円、レバテックキャリアの調査では約441万円、dodaの調査では約449.3万円と報告されています。年収は経験年数、スキル、勤務地、雇用形態、専門分野によって大きく変動します。経験を積むことで年収は着実に上がる傾向にあり、特に50代では平均年収が約700万円に達することもあります。主要都市では給与が高めに設定される傾向があります。
・未経験者:約402万円
・経験者:約550万円
・50代:約700万円
・フリーランス:1,000万円以上も可能
経済産業省の調査では、アプリケーションエンジニアを含むIT人材の不足数が年々増加しており、2030年には最大で約45万人のIT人材が不足すると予測されています。この人材不足は、未経験者にとってアプリケーションエンジニアへの転職の大きなチャンスです。しかし、IT業界は実力主義の世界であるため、常に新しい知識や技術を積極的に学び続けることが大切です。例えば、新しいプログラミング言語やフレームワーク、クラウドサービスの利用技術、セキュリティに関する知識などが求められます。
よくある質問:「仕事がきつい」と言われるのはなぜ?
アプリケーションエンジニアの仕事は、「きつい」と感じる声があるのも事実です。その主な理由と、それを乗り越えた先にあるやりがいについて詳しく解説します。
突発的なシステム不具合への対応
リリース後も予期せぬエラーやバグが発生することがあります。ユーザーからの報告で急遽対応が必要になったり、大規模なシステム障害が発生したりするケースでは、時間外労働や休日出勤で復旧作業にあたることも少なくありません。
継続的な学習の必要性
IT技術の進化は目覚ましく、新しいプログラミング言語やフレームワーク、開発手法が次々と登場します。アプリケーションエンジニアはこれら最新技術をキャッチアップし、自身のスキルをアップデートしていく必要があります。
しかし、やりがいも大きい仕事
これらの「きつさ」を乗り越えた先には、大きなやりがいがあります。自身が開発したアプリケーションが多くのユーザーに利用され、感謝の言葉が届いたときや、複雑なシステムエラーを解決できたときの達成感は、アプリケーションエンジニアならではの喜びです。
多様なキャリアパスの可能性
アプリケーションエンジニアとしてのキャリアパスは多岐にわたり、個人のスキルや経験、興味によって様々な道を選択できます。
初級エンジニア(1-2年目)
プログラミングや保守・運用などの下流工程からスタートし、実務を通して経験を積んでいきます。
中級エンジニア(3-5年目)
システム設計や開発リーダーとしての役割を担い、技術的な専門性を深めていきます。
上級エンジニア・管理職(5年目以降)
プロジェクトマネージャー、ITコンサルタント、システムエンジニアなど、多様なキャリアパスが考えられます。
スペシャリスト・独立
データベースエンジニア、セキュリティエンジニアなどの専門家や、フリーランスとして独立する道もあります。
⚫︎マネジメント系
・プロジェクトマネージャー
・ITコンサルタント
・Webディレクター
⚫︎スペシャリスト系
・データベースエンジニア
・セキュリティエンジニア
・Webマーケター
⚫︎独立・起業
・フリーランスエンジニア
・技術系起業家
・コンサルタント
理想のキャリアを実現するために
アプリケーションエンジニアは、IT業界の人材不足や企業側の研修制度充実により、未経験からでも十分に目指せる職種です。学歴や文系出身、30代からの挑戦も可能であり、実際に多くの成功事例が存在します。
1.転職成功の鍵
開発したいアプリのジャンルを決め、必要なプログラミング言語の学習を始めることが重要です。独学だけでなく、プログラミングスクールやオンライン学習サービスを活用し、体系的にスキルを習得しましょう。
2.ポートフォリオの重要性
学習後は、実際に自作アプリを開発し、ポートフォリオとして活用することで、自身のスキルを具体的にアピールできます。
3.転職エージェントの活用
IT業界に特化した転職エージェントを活用して求人を探すのが効果的です。ワークポート、リクルートエージェント、dodaなどが未経験者にもおすすめです。
求められる特性と将来性
アプリケーションエンジニアには、地道な作業を粘り強く続けられる忍耐力、新しい技術を学び続ける意欲、そして論理的思考力が求められます。これらの特性は、技術力と同様に重視されるため、日頃から意識して磨いていくことが大切です。
平均年収は550万円前後と比較的高い水準であり、今後も需要拡大が見込まれる将来性の高い職種です。転職エージェントを複数活用し、自身のキャリアプランに合ったサポートを受けることで、理想のワークライフを手に入れる可能性が高まります。
IT業界の人材不足は今がチャンス。学習を始めて、理想のキャリアを実現しましょう。
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